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信販会社規制が焦点 既払い金返還、どこまで

特商法と割販法の改正法案は今年の通常国会に提出される見込み。経済産業省が示す改正案の骨格について、 悪質商法被害者の救済に当たってきた法律家や消費者団体関係者らの多くは「まだ消費者保護に不十分な部分があり、八十点ぐらいの内容」 と話す。

 法律家団体や消費者団体などは、消費者保護の規定をより強化した法案が成立するよう政党への働き掛けを強めており、 最終的な法案は国会の議論にも影響されて決まりそうだ。

 法律家らが改正案骨格について不満を示す第一のポイントは、信販会社が消費者に既払い金を返還するルールが適用されるのが 「通信販売を除く特商法の対象分野の取引に関して」と限定されていることだ。

 商品の販売業者がクレジット契約に絡んでうその説明をした場合などに、既払い金返還が可能になる。通常の店舗販売は、 特商法の対象ではないが、店舗販売の業者がクレジット契約絡みで問題を起こすことも少なくなく、法律家らは「店舗販売も対象にすべきだ」 と強調する。

 法律家らが典型的事例として挙げるのは「ココ山岡事件」。同社は全国各地の店舗で宝石を販売。「五年後に販売価格で買い戻す」 というセールストークを使ったが、一九九七年に破産。多くの購入者は、買い戻してもらうことが不可能になりながら、 半面で信販会社への支払い義務は負う悲惨な状況になった。信販会社相手に提訴した購入者は約九千人にも上った。

 昨年から被害者からの民事訴訟提起が相次ぐ呉服の次々販売でも、呉服販売業者が店舗で強引な販売をしていたケースが少なくない。

 不満の第二のポイントは、信販会社の過剰な与信供与についての規制についてだ。

 経済産業省の有識者検討会の報告書では、過剰与信を行わないことを義務付けているが、 過剰与信の一律的な判断基準を法律や政省令で設定することには慎重な言い回しをしている。これに対して、法律家や消費者団体関係者らには 「具体的基準を政省令などで明確にして、信用供与の“総量規制”を実施すべきだ」という声が多い。

 既払い金返還ルールの適用対象を拡大することや信販会社の信用供与の総量規制導入には、信販業界は 「クレジット取引が縮小して経済全体にも悪影響が出かねない」などと反対している。 これら二つのポイントが国会で大きな議論になることもありそうだ。

 二〇〇六年の国会で、貸金業制度改正で貸金業界への規制をどこまで厳しくするかをめぐって、法律家団体に近い議員、 業界に近い議員の間で激しい議論が展開された前例もある。

     ◇

 このほかにも、法案を確定させるまでに詰めておかなければならない課題がいくつか残されている。

 特商法や割販法では、規制の適用対象になる商品やサービスを政府が指定する「指定商品・役務制」が維持されてきた。

 消費者被害が相次いだ商品やサービスが追加で指定されてきたが、悪質販売業者が指定逃れの商法を展開することも多く、 指定は後追いになりがちだった。このため、消費者団体や法律家団体は「指定商品・役務制は廃止すべきだ」と主張し続けてきた。

 今回の両法の改正では経済産業省も指定商品・役務制を原則廃止とする方針だ。 その上で規制の適用対象から除外する商品やサービスの特例措置を導入する。ただ、 この特例が広がりすぎたり狭まりすぎたりしないようにする作業は簡単ではなさそうだ。

 消費者の代わりに消費者団体が訴訟を起こすことができる消費者団体訴訟制度が昨年スタートした。消費者契約法に規定された制度だが、 経産省は、より効果を高めるため、特商法にも規定を設ける方針だ。

 消費者団体が消費者団体訴訟制度の適格団体になるための申請手続きが、消費者団体にとって重い負担になれば、 適格団体が思うように増えない。申請手続きなど制度の詳細を適切なものにする作業が経産省には求められている。

次々販売の事例
 国民生活センターが示す次々販売の相談事例を見てみよう。

 【事例1】六十代の無職女性が四年間にわたり訪問販売で布団、スノコ、乾燥剤などを次々に買わされた。「このままでは健康を害する」 といったセールストークが使われた。業者は六社で契約は十一件、契約総額は約五百六十万円。強引な勧誘で断り切れなかった。 信販会社へ毎月の支払いができず、督促状が届いた。

 【事例2】判断力が不十分で生活保護を受けている無職の六十代女性が緊急通報システム機器をいくつも買わされた。 総額は約百二十万円。契約し始めたのは四年前からのようだが、当時の記憶はあいまい。ケアマネジャーが状況を把握。 「信販会社から次々に請求書が来る。どうしたらいいか」と相談した。

 2008年1月10日中日新聞より転載

 

posted by 在宅仕事 簡単な女性の在宅仕事 at 08:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 在宅、悪徳商法
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